補聴器について

補聴器について

難聴者が補聴器を使う目的は、主に言葉を聞き取ることにあります。「家族や友人との会話」、「仕事でのコミュニケーション」、「テレビや映画などを楽しむ」など生活のさまざまな場面における言葉の聞き取りを改善するために補聴器は働きます。
補聴器とひとことで言ってもいろいろな種類があります。見た目の形も違えば価格によっても、搭載されている機能によっても違いがあります。
補聴器にはいろいろな種類、タイプがありますが、それぞれの特長をよく理解して、自分の聴力や聞こえの状態、形状や付け心地の好み、予算等に合わせて、最適な補聴器を選ぶようにしましょう。

補聴器の種類

一般に補聴器は形状によって以下の5つに分類されます。聴力や使用形態などにより選び分けることができます。
補聴器の画像

耳あな型

耳あなに収まるタイプ。耳あなにスッポリ収まる小型のものから、耳の外にまでくる大型のものまでいくつかのタイプがあります。耳あなの形状ときこえの程度にあわせてつくるオーダーメイドタイプが一般的です。
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耳かけ型

耳にかけて使用します。操作が簡単で扱いやすいのが特長。汗が入りやすいのが難点ですが、汗に強い機種も出ています。
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ポケット型

本体をポケットに入れ、イヤホンとコードをつないで使用。操作は比較的簡単で、機種によっては高出力が得られます。コードが邪魔になったり、たまに衣ずれ音が入ることがあります。
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レシーバー分離型耳かけ形

レシーバーが耳の中に入り鼓膜近くで音の再現がされることにより、耳あな形の良さを持ちかつ、本体も小型でチューブも細い為目立たない特徴があります。
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マイク分離型オーダーメイド

マイクが耳介に収まることにより、耳介の自然な集音効果を利用できる。また、マイクが本体より外に出たことで風切音も気にならず、耳あな形なのにオープンフィッティングの快適性と、小型ハイパワーの実現性が可能になりました。
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クロス型補聴器

片耳難聴(一側性難聴)の聞こえない側の耳周辺の音を集め、良い方の耳に転送して聞くシステムです。

難聴について

難聴は症状や原因などにより分類されているケースもあります。さまざまな難聴の種類や考えられる原因、治療方法などをご紹介します。ご自身やご家族で気になることがある場合は、耳鼻科の専門医に相談されることをおすすめします。この他にも、爆発音などの瞬間的な強大音が難聴を引き起こすこともあります。また、工事現場や工場など、大きな騒音下に長い間さらされていることが難聴の原因になる場合があります。

感音性難聴

内耳や蝸牛神経など感音器の障害が原因です。加齢とともに聞こえにくくなったり、長時間騒音下にいることが原因で起きる騒音性難聴が代表的です。
一般的に医学的な治療による聴力の改善は難しいとされています。

老人性難聴


一般に老人性難聴と呼ばれる感音性難聴は、加齢による難聴のことです。年齢を重ねるにつれて体力が低下してくるのと同じように、加齢によって生じる聴力低下は、誰にでも起こりえる現象です。老人性難聴によって聴力が低下しはじめる時期やその程度には、個人差があります。
私たちの耳の中の蝸牛という場所に有毛細胞という細胞があります。有毛細胞は音を神経に伝える重要な役割を担っています。加齢とともに、この有毛細胞が劣化したり、減少したりするようになります。この有毛細胞の劣化や減少が老人性難聴の原因だといわれています。
一度劣化したり減少したりしてしまった有毛細胞は元に戻ることはありません。老人性難聴は医学的な治療が困難だといわれるのはこのためです。

突発性難聴


突発性難聴とは、文字どおり突発的に発症する難聴です。
「ある日、急に耳が聞こえなくなった」というように突然症状があらわれるのが特徴です。最近では、芸能ニュースなどで頻繁に耳にするのでご存知の方も多いでしょう。
突発性難聴の原因については、不明とされています。ウィルスの感染が原因だとする説や、血流が妨げられ内耳に充分血液が行き渡らないことによる機能不全を原因とする説などがあります。また、ストレスを原因とする見方もあります。

ヘッドホン難聴


最近、話題になっているのが、ヘッドホン難聴です。ヘッドホンステレオで大音量の音楽を長時間聴くことは難聴の原因になる恐れがあるといわれています。
問題なのは、「大音量」であることと「長時間」であることです。大きな音は有毛細胞や聴覚神経にとって大きな負担になりますし、その大音量を長時間聴くことは、過度な刺激に長時間さらされることを意味します。また、ヘッドホンは音源が鼓膜に近いので、音(特に高音)が減衰される割合が少ないことも耳に負担をかける大きな要因となっています。

伝音性難聴

中耳炎や鼓膜の損傷などによる、外耳から中耳にかけての障害が原因です。医学的な治療が可能とされています。

混合性難聴

伝音性難聴と感音性難聴の両方がみられます。